''平成25年度事業''
第66回定時総会審議内容の報告
○平成24年度事業報告(概要)
第65回定時総会開催:平成24年6月6日
理事会開催状況
*平成24年5月17日 ①23年度事業報告・決算報告
②役員の変更
③紙パルプ技術アドバイザー設置運営相談要領の制定
④定時総会議案書討議
⑤総会時の表彰選考
⑥契約の承認
⑦会員の異動
*平成24年6月6日 ①副会長の選出
*平成24年8月27日 ①1/4半期事業・会計報告
②24年度収支予算の補正
③会員の異動
④紙パルプ技術等アドバイザーの登録
*平成24年12月10日 ①2/4半期事業・会計報告
②会員の異動
③25年度事業の進め方
*平成25年3月11日 ①24年度事業・会員の異動
②24年度決算見込み
③25年度事業計画
④25年度収支予算案
⑤役員の改選について
⑥就業規則の改正
⑦第66回定時総会の招集
平成23年度定期監査 平成24年4月18日 実施
平成23年度事業報告・収支決算及び財産状況の監査
編集委員会開催(4回):技術情報誌「紙パルプの技術」の編集
第63巻1~4号発行
技術研修開催 ①新入社員研修 平成24年7月18日(35名参加)
②中小企業技術者研修(中期) 平成24年10月16日~11月2日(31名参加)
③機械保全実践研修 平成24年11月28日~30日(14名参加)
④電気計装実践研修 平成25年1月30日~2月1日(9名参加)
⑤中小企業技術者研修(短期) 平成25年2月21日~28日(38名参加)
技術講演会開催 第1回 平成24年4月25日(40名参加)
第2回 平成24年7月3日( 79名参加)
第3回 平成24年9月5日( 63名参加)
第4回 平成24年11月7日(69名参加)
第5回 平成25年1月25日(96名参加)
分析技術セミナー開催 平成24年5月18日(40名参加)
品質管理セミナー開催 平成24年10月10日(21名参加)
静岡県包装研究会開催 平成24年11月9日(46名参加)
見学会開催 *平成24年11月14日実施(出光興産㈱千葉製油所・工場及び営業研究所)
22名参加
*平成25年2月27日実施(丸富製紙㈱富士根工場見学) 29名参加
出前講座 3回実施
会員交流事業 平成25年新年互礼交歓会開催 平成25年1月22日(150名参加)
○会員の状況:全257(平成25年3月末)
維持会員 148社、個人会員(1号) 92人、個人会員(2号)17人
○平成24年収支決算報告 別添貸借対照表
正味財産増減計算書
○平成25年度会費について
○役員報酬について
○役員の選任 理事任期満了に伴う改選
・23人の理事を選任(任期2年)
・臨時理事会にて会長、副会長、専務理事の選出
○平成25年度事業計画の概要(報告事項)
製紙工学技術者研修
①中期研修(10月)
②短期研修(2月下旬~)
③新入社員研修(7月)
④機械保全(11月)、電気計装(2月)実践研修(各1回)
技術講演会開催 年5回程度
品質管理等の講習会 年1回
包装研究会 年1回
技術情報誌「紙パルプの技術」の発行(公益目的支出計画事業)
出前講座 随時
工場見学会 2回
会員親睦事業(新年互礼交歓会) 1月
○平成25年度収支予算(報告事項)
以上を総会にて審議し了承(賛同)を得て閉会した。
平成25年度事業
【方 針】
2008年のリーマンショック以降、東日本大震災、欧州債務危機、日中、日韓関係の軋轢など厳しい経済環境が続いている。国内の工業生産は、円高や世界的経済不況、遅々として進まない震災復興、厳しい電力供給なども相俟って2012年まで縮小傾向となっていた。
その後、昨年末の政権交代を経て、円安株高傾向に転じ、景気回復に期待が高まっている。円安は原燃料の輸入比率が高い紙パルプ産業にとってプラスとは言えないものの、国内経済の先行きに明るさが出て経済が活発化していけば、紙の需要回復にも繋がるものと思われる。
しかし、人口減やネットの影響、消費者の変化、産業空洞化の加速などのマイナス要因は依然として続いており、基本的な紙の需要構造の変化が止まるとは考えられず、紙パルプ産業にとって従来型の事業拡大は難しいとの見かたも多く聞かれる。
このような経営環境下で、紙パルプ産業の持続的発展のためには、先人が様々な努力を重ねてきたように、困難な課題に挑戦し克服していくことが強く求められる。IT化や省包装、消費構造の変化への対応、エネルギー対策など、我々紙パルプ産業が取り組むべき課題は多い。
総合的な競争力の強化、国際的視点での経営戦略、地球温暖化・省エネ対策、これらのベースとなる情報収集の強化や技術対応力の向上、新製品の開発や新市場の創出等を積極的に進める必要がある。
当協会は、紙パルプ産業界の一助となるべく、共通の技術問題を話し合える場を提供し、「製紙メーカ、原材料・薬品・設備メーカ、販売各社と製紙(紙加工)ユーザ」の橋渡し役として技術・学術の交流はもとより、より幅広い人的交流の一翼を担ってきた。また、紙パルプ産業界を支える人材の育成にも取り組んできた。
若手技術者に対しては基礎教育と早期戦力化を支援し、中堅技術者に対してはキャリアアップの機会を提供するなど、来年度も引き続き人材育成、新技術の紹介、人的交流推進等の施策を実施する。
具体的には、前年度の成果を踏まえて、本県の紙パルプ業界の振興のため、次の諸事業に取り組む。
*次代を担う技術者の育成を目指し、人材育成のための中期及び短期の技術者研修事業
各研修の内容充実を図るとともに個別要望対応型研修「出前講座」の拡充に努める。
*自動化・省力化・工程安定化のための計装制御技術研修及び機械設備保全技術研修事業
今年度もポリテクセンターの協力を得て各種保全の技術研修を実施する。
*新製品開発技術・古紙の高度利用と品質アップ技術・省エネ技術・環境調和技術などの新技術に関する講演会、講習会、見学会の開催
富士工業技術支援センター及び静岡県工業技術研究所富士センター協議会との密接な連携を図る。
*技術情報誌「紙パルプの技術」の発行
紙パルプに関する知見を広めるための技術情報誌として内容の充実に努め、普及啓発を図るため公益的事業として実施する。
*会員相互の情報交換と交流を図るための会員交流会の開催
*「アドバイザー」制度の活用を図る。
*新会員の加入促進を図る。
平成25年度 主な事業と活動
【事 業】
1.製紙工学技術者研修
(1) 中小企業等の中堅職員養成のため、中期技術者研修
(2) 中小企業等の新規職員の早期戦力化のための研修
① 新入社員研修
② 製紙工学過程短期技術者研修
(3) 人材養成事業として電気・計装保全に関する研修
(4) 人材養成事業として機械予防保全に関する研修
(5) テーマ別研修(品質管理等)
2.技術振興に関する事業
(1) 先端技術、高度技術を応用した紙パルプの製造法および加工技術、新製品開発、
包装技術等に関する講演会、講習会等の開催
(2) 省エネルギー、環境調和技術、品質管理向上のための講演会、講習会等の開催
(3) 先端技術、生産管理技術、環境調和技術の実情を把握するため見学会の実施
(4) 紙パルプ製造に関する優れた技術報告及び開発の表彰
(5) 紙パルプ製造に関する図書、資料を備え会員等への閲覧、貸出
(富士工業技術支援センターとの協働)
(6) 会員相互の情報交換と親睦を図るため交流会の開催
(7) 出前講座等による製紙技術、紙の知識等の普及啓発教育
(8) 「隣の晩御飯シリーズ」の開催
(9) アドバイザー制度
3.技術情報誌「紙パルプの技術」の発行
(1) 紙パルプ産業に関する総説、研究論文、報告、新製品・新技術の紹介等を掲載
(2) 年間4回 各500部発行
(3) 既発行冊子の保存(電子データ化)
【事業日程】
1.会 議
(1) 総 会 6月
(2) 理 事 会 (4回)①5月 ②8月 ③12月 ④3月
(3) 運営委員会 (1回)4月 (その他必要の都度)
(4) 編集委員会 (4回)①6月 ②9月 ③11月 ④2月
2.研 修
(1) 新入社員研修 7月 (講師の都合により変更もあり)
(2) 中期技術者研修 10月 (講師の都合により変更もあり)
(3) 機械保全技術研修 11月 (講師の都合により変更もあり)
(4) 電気・計装研修 1月 (講師の都合により変更もあり)
(5) 短期技術者研修 2月~3月 (講師の都合により変更もあり)
(6) テーマ別研修 随時 例:品質管理、小集団活動、家庭紙の製造等
3.講演会、講習会、研究会
(1) 技術講演会 (5回)①5月 ②7月 ③9月 ④ 11月 ⑤1月
(富士工業技術支援センター及び工業技術研究所富士センター協議会との共催)
(2) 包装研究会 (1回) 11月
4.見学会
(1) 工場見学会 (2回) ①9月 ②2月
5.会員交流会
(1) 新年互礼交歓会 1月
6.技術情報誌の発行
(1) 『紙パルプの技術』(4回発行)①7月 ②10月 ③1月 ④3月
7.会 員 名 簿
(1) 会員名簿の発行 8月(総会終了後、変更の問い合わせを実施し発行する。)
8.特別事項
法人法(法人法、認定法、整備法)改正による対応
(1) 公益目的支出事業の実施
9.その他
(1) ホームページの多角的活用
静岡県紙パルプ技術協会情報の発信、情報の共有化、技術紹介、催物の案内
(2) 新会員の加入促進
第5回技術講演会を開催(平成26年3月18日)
参加者:64名
会 場:富士工業技術支援センター大研修室
(1)【私の研究履歴と紙パルプの今後】 静岡大学農学部 鈴木恭治教授
『学生時代を含め40年以上の長きに亘り取り組んできた紙パルプ関連の研究を振り返って、研究歴の中で主だったものの成果や課題について分かり易くお話しいただいた。具体的には、「機能性ポリマーの合成とその製紙への利用」、「パルプ・紙への放射線、紫外線の影響」、「防虫加工紙の製造とその性能評価」、「不均一系でのセルロースの機能化とその利用」、「バイオマスの変換利用技術開発」等々であり、また、これまでの経験を踏まえ今後の紙パルプ産業への期待等について御講演いただいた。』
(2)平成25年度富士工業技術支援センター製紙科の研究成果発表
【近赤外分光法を用いた木材パルプの新たな複合的評価手法の検討(Ⅰ)】
研究員 河部千香
『近赤外分光法は、食品・薬品・化学工業などの多くの分野で実用化されており、正確性や簡便性から多くの注目を集めているが、製紙分野では、オンライン水分計以外の用途としては、まだまだ広くは知られていない。そこで、近赤外分光法の活用法として、LBKP/NBKPの繊維組成試験やろ水度の評価について報告された。』
【原質工程における原料の状況】 上席研究員 堤真一
『再生紙の品質向上に資する基礎的なデータ収集を目的に、県内の再生紙製造企業数社を対象に、4月から12月の間で各社3回ずつ原料を採取し、篩分試験等の実施概要を報告された。』
【印刷資材のリサイクル適性向上への取り組みとドライトナー印刷物の事例紹介】
上席研究員 深沢博之
『古紙利用率向上を目指して当センターは、古紙再生促進センターと日本印刷産業連合会と協力して検討を行っており、これまでに、粘着剤や特殊インキなどについてリサイクル性の高い製品作りに寄与するなど成果があがっている。これらの取り組みの概要を説明し、最近行なったドライトナー印刷物についての成果を紹介された』
【トイレットペーパーのクレープ評価手法の確立】 研究員 鈴木悠介
『トイレットペーパーの品質で最も重要である「やわらかさ」は、クレープ形状が大きく影響すると言われていが、客観的な数値評価は行われていない。本研究は、やわらかさを向上させるクレープ形状を見出すことを目標としている。初年度である今年は、クレープ形状の評価法について検討した結果を報告された。』
平成25年度 中小企業等技術者研修(製紙工学課程・短期)
日時 平成26年2月19日(水)~2月27日(木)
座学34.5時間(工場見学含む。)
場所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 46人
内容 製紙の総合的な技術・知識を修得していただく研修です。「製紙概論」「紙料調成法」「古紙処理法」「家庭紙概論」「長網抄製造」「円網抄造」「用紙と印刷」「内部添加剤」「仕上・包装」「紙塗工法」「品質管理」の講義と「王子マテリア㈱富士工場」を見学しました。
見学には41名が参加し、工場の概要、製造工等の説明を受け、その後工場内各設備を見学しました。熱心な質疑応答も活発に行われ、座学の講義内容と相俟って工場で実物を見聞きし大変参考になったと好評でした。
お忙しいなか、工場見学を快く受け入れていただきました王子マテリア㈱富士工場の皆様に御礼申し上げます。
講義風景1
講義風景2
講義風景3
講義風景4
王子マテリア㈱富士工場見学概要説明
カリキュラム 別添
「製紙工学短期研修カリキュラム」(PDFファイル)
製紙工学短期研修
平成25年度 3次元CAD技術講座
日 時 平成26年2月4日(火)~2月6日(木)
(研修時間 20時間)
場 所 静岡職業訓練支援センター(ポリテクセンター静岡)
ME棟2階CAD/CAM室
受講者 5人
内容 紙・パルプ産業の技術者の皆さんを対象に、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機
静岡職業能力開発促進センター(ポリテクセンター静岡)の全面的なご支援を頂き、同センターを会場にして3次元CAD技術の基礎講座を実施しました。
これから、3次元CADの導入を検討している方、既に取組み始めた方など初心者向けのカリキュラムでしたが、CADを使用する場合の環境構築、製品企画から具体的加工の指示を出すための図面の作図方法、効果的な使用法等を実際に機器を使用して、実技・技術の習得をしました。
研修風景1
研修風景2
研修会場・使用機器
平成25年度 電気・計装実践技術講座
日 時 平成26年1月29日(水)~1月31日(金)
(研修時間 20時間)
場 所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 14人
内容 紙・パルプ産業の技術者の皆さんを対象に、生産設備の電気・計装技術を習得していただく研修を行いました。(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構静岡職業能力開発促進センター(ポリテクセンター静岡)の全面的なご支援を受け、同センターから各種機材(PLC、パソコン)を搬入し、個人ごとに各種機器を動かし、回路修復実習を重点に有接点シーケンスの点検・保全について実習しました。
研修風景1
研修風景2
研修風景3
研修使用機器
新年互礼交歓会
日時:平成26年1月28日(火)
場所:ホテルグランド富士
参加者:166名
富士市長小長井義正様、富士市産業経済部長土屋俊夫様、富士工業技術支援センター長神谷眞好様、静岡県紙業協会常務理事天野厚巳様等を来賓に迎え、多くの会員の参加も得て盛大に懇親を深めることができました。恒例の福引抽選や年男への記念品贈呈などで賑わいました。
福引抽選会にご協賛いただいた会社
相川鉄工㈱、荒川化学工業㈱、㈱小林製作所、星光PMC㈱、㈱大善
㈱日刊紙業通信社、ハリマ化成㈱、㈱丸石製作所
御礼申し上げます。ありがとうございました。
佐野武雄会長挨拶
製紙業界の最大課題は、4月からの消費税増税後、持続的に再生生産可能な製品価格の維持であり、その上でコスト、輸入紙、原料、少子化の4つ要因にふれ、このような状況を打開していくため、業界共通の課題として、断紙の減少や歩留りの向上と省エネルギーへの取組みが重要で、「協会は、各種機器・設備や抄紙用具、薬品などの最新技術動向を紹介していくので協会を有効に使って下さるよう」申し上げ、また「各研修会を通じての人材育成も重要」と協会の役割と活用について協力をお願いされた。
来賓祝辞 小長井義正富士市長
来賓を代表し小長井義正富士市長から、先に開催した富士山紙フェアにふれ「紙パルプ産業は地域にとって重要であり、まだまだ大きな可能性を秘めていると思う。積極的に支援していきたい」とご祝辞をいただいた。
来賓祝辞 神谷眞好士工業技術支援センター長
乾 杯 大久保賢治副会長
閉会の辞 梅原淳副会長
賀詞交歓風景
「第1回 富士山紙フェアに出展しました」
平成26年1月11日、12日に富士市産業交流展示場「ふじさんめっせ」で行われ1万5千人余が来場した「第1回富士山紙フェア」に参加しました。
「紙のまち富士」を全国に発信する会場に、当協会もブースを設け、技術情報誌「紙パルプの技術」の最近発刊の各号の展示・配布を行いました。
製紙会社の方や「紙」に興味のある一般の方々も手に取られ、30人余の方がお持ち帰りになりました。会場全体では、製紙や紙加工の企業を中心として約170の団体が出展・協賛、109のブースが設けられた。それぞれのブースで家庭紙製品の即売やゲーム等が行われ、多くの親子づれなどで賑わった。子ども向けには、段ボール巨大迷路、ペーパーランド、紙すき体験、トイレ紙積み上げコンテストなどのほか、漫画雑誌コーナーでは富士市産の特更紙の紹介も行われました。展示コーナーには、紙の歴史、紙づくりの映像や富士山オブジェ、工場夜景写真、特種東海製紙㈱提供の紙アート展「紙わざ大賞」入選作品が多数展示され、多くの来場者の歓心を得ていました。 アイデア紙製品やビジネスプランのコンテストも行われ「ペーパービジネス大賞」には、植田産業の紙バンド「キュオラ」が獲得しました。また、各ブースがアイデアや特色を競う「地場産業応援コンテスト」では、丸富製紙グループの「牛乳パックで手すきハガキつくり」が1位を、2位はイデシギョーグループの「紙製品の釣りゲーム」、3位には日本製紙グループの「色上質紙で富士山づくり」が入るなど会員企業が活躍されました。平成24年度のプレ開催に続き、盛況に執り行われた「第1回富士山紙フェア」の成功に当協会がささやかながら協力できたことを喜ぶとともに、さらに第2回、第3回と継続し、紙の持つ可能性、地域産業の底力を示し発展させるよう取り組んでまいります。
富士山紙フェア会場風景1
富士山紙フェア会場風景2
富士山紙フェア会場風景3
富士山紙フェア会場風景4
富士山紙フェア会場風景5
富士山紙フェア会場風景6
富士山紙フェア会場風景7
富士山紙フェア出展ブース
第4回技術講演会を開催
第4回技術講演会を開催(平成26年1月21日)(写真:講演風景)
参加者:91名
会 場:富士工業技術支援センター大研修室
(1)【製紙業界における「AOKIクリーナー」の現状】
㈱青木機械 営業部長 大髙 成裕 氏
『近年の製紙業界は、古紙再利用の増加から粘着性異物を含め、抄紙機内に持ち込まれる異物の発生が操業運転のトラブルや製品トラブルの原因となる。当然ドライパートのカンバス汚れも顕著となり、さまざまなカンバス洗浄機が検討される中で、操業中に水を使わない特殊ブレードによる洗浄装置「AOKIクリーナー」について紹介していただいた』
(2)【省エネの推進、古紙原料品質低下と高まる製品要求に対する原料調成部門の提案】 相川鉄工㈱ 技術営業部長 望月 英雄 氏
『環境保護の観点から製紙業界における省エネの要求は年々厳しく、また古紙原料の不足、低品質・低価格原料の利用率が高まり、原料工程においては高歩留り、高品質、省エネルギーという3つの課題を同時に達成できるような設備が求められていることから、今回①原料歩留改善、②省エネルギー、③消耗品適正(スクリーンアジテーター、叩解刃など省エネルギー、効率向上、品質改善)についてお話しされた』
(3)【ハイエンドカンバスクリーナー「MultiJet」の紹介】
㈱小林製作所 製紙機械営業部 中山 惇 氏
『Kadant m-clean社のカンバスクリーナー「MultiJet」は、従来品とは異なったハイエンドクリーナーとして世界中で500台近くの納入実績を誇り好評を得ているが、この機種の持つ3つの特徴、超高圧ファンジェット、汚れの機外へのバキューム排出、間欠運転について解説されるとともに日本のユーザー向けの保守体制等についてもお話ししていただいた。』
(4)【ウェブ計測制御システムの紹介】
㈱小林製作所 製紙機械営業部 橋本 雄輝 氏
『小林製作所のウェブ計測システムのメリット、坪量、水分、厚みに限定することで高性能機器でありながら低価格であること、制御システムのシンプル化により故障の削減が図れるなどのメリットを解説し、この安価で耐久性に優れたシステムを導入することで得られる製品の品質向上やクレームの削減効果について事例を交えてお話ししていただいた。』
写真 講演風景
会場ロビー展示風景
平成25年度機械保全実践技術講座
日 時 平成25年12月4日(水)~6日(金)
(研修時間 20時間)
場 所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 16人
内容 紙・パルプ産業の技術者の皆さんを対象に、生産設備の機械保全技術を習得していただく研修を行いました。(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構静岡職業訓練支援センター(ポリテクセンター静岡)の全面的なご支援を頂き、同センターから各種機材を搬入し、機械設備の診断技術や非破壊検査について知識・実技の両面から習得しました。
カリキュラム(PDFファイル)カリキュラム
機械保全講座1
機械保全講座2
機械保全講座3
機械保全講座4
機械保全講座5
機械保全講座6
機械保全講座7
機械保全講座8
平成25年度工場見学会≪隣の晩御飯シリーズ≫
日時:平成25年11月12日(13:3 0~15:30)
会場:日本製紙㈱吉永工場
富士市比奈798
参加人数:44名
今年度の工場見学会≪隣の晩御飯シリーズ≫は、日本製紙㈱吉永工場様の全面的なご協力を得て、吉永工場のライナーマシン、ボイラー設備、排水処理設備を見学しました。安全対策、品質管理、省エネ、排水処理、廃棄物の活用等の取組みを目の当たりにし、工場運営や高品質な製品づくりにおいて大切なことと改めて感じたところです。大変有益な見学会となりました。
①日本製紙(株)吉永工場見学会
②吉永工場見学会2
③吉永工場見学会3
第57回 静岡県紙業振興大会開催
日時:平成25年11月19日(火)
場所:ホテルグランド富士
経済産業省紙業服飾品課長、静岡県経済産業部商工業局長、富士市長を来賓に迎え、
盛大に開催されました。
大会宣言「紙を次世代に繋ぐため、新たな製品開発と創意をもって、より魅力的な生産地を構築しよう」を採択し、この実現のため「紙製品をもって、魅力的ある紙文化を発信する」「岳南地域の生産インフラである用排水設備の利便性・経済性向上のために、知恵を絞る」「適正コスト・適正利潤を確立し、持続的生産活動を促進する」を目標に、鋭意努力することを誓いました。
また、紙業界発展に貢献した功労者の表彰が行われ、当協会からは、永年に亘って地域社会や紙業界活動に積極的に取り組んでこられた鈴木衛理事(㈱日刊紙業通信社代表取締役社長)が静岡県知事表彰を受賞されました。また、相川鉄工㈱、飯田工業薬品㈱、小林製作所㈱、㈱田島鉄工所、特種東海製紙㈱、特種メーテル㈱、富士フイルム㈱、明産㈱の社員の方々14名が優良従業員として静岡県紙業振興協議会会長表彰を受賞されました。
おめでとうございます。
第57回静岡県紙業振興大会写真
平成25年度中小企業等技術者研修(製紙工学課程・中期)
日時 平成25年10月16日(水)~10月25日(金)(土日及び21日を除く)
(座学41時間)
場所 ・ラホール富士(16日~18日、22日~24日)
・富士教育会館(25日)
内容 紙・パルプ産業の技術者の皆さんを対象に、製紙工学の総合的な研修です。
「製紙原材料概論」「紙料調成法」「紙料調成機械」「内部添加剤」「抄紙機各論」「最近の抄紙機」「家庭紙の製造」「古紙処理法」「用紙と印刷」「紙塗工法」「仕上包装」「製紙工業における省エネ」「品質管理」などの講義を行いました。
また、最終日の25日には、㈱小林製作所様のテストマシン及び紙試験設備・機器を見学させていただきました。
受講者 37人
*講義1
*講義2
*講義3
*講義4
*講義5
*小林製作所見学1
*小林製作所見学2
「第56回 2013年 紙パルプ技術協会年次大会の見学」
日時:平成25年10月9日
会場:アクトシティー浜松(浜松市中央区板屋町111-1)
参加人数:28名
今年度11年ぶりに静岡県で開催された紙パルプ技術協会の年次大会を見学しました。10月9日から11日の3日間の内、初日の9日の基調講演、特別講演の聴講と展示ブースを見てきました。
山﨑理事長の基調講演では、国内の紙・板紙の生産、内需の見通しと輸出入の動向、新製品の開発強化、エネルギー転換、グローバル化などをお話しされました。特別講演は関ものづくり研究所の代表関伸一氏の講演でした。
展示ブースは78社が紙パルプ関連機器及び原材料が出展され多くの来場者で賑わっていました。
*展示ブース1
*展示ブース2
*展示ブース3
*展示ブース4
*展示ブース5
*展示ブース6
*展示ブース7
第3回技術講演会
第3回技術講演会を開催(平成25年9月25日)(写真:講演風景)
参加者:69名
会 場:富士教育会館 大会議室
神谷センター長挨拶
(1)【フェルトの製造工程と高機能フェルトの紹介】
日本フェルト㈱ 技術部 野口 幹 氏
『フェルトの製造工程の詳細説明とこれまでに市場に投入し高い評価を得ている高機能フェルトの特徴を解説されるとともに、高機能フェルトの操業例として「ノンウーブンフェルトであるアクアスリートシリーズ」を採用したプレスパートの省エネ事例等について紹介していただいた。』
写真…野口幹 氏
講演風景1
(2)【ドライヤーカンバスについて】
ダイワボウプログレス㈱カンバス営業部カンバス技術担当 主任部員 中上 保 氏
『製紙工場内で、最もエネルギーを消費する過酷な環境のセクションの一つが、抄紙機のドライヤーパートであると考えられる。ダイワボウプログレス㈱社では国内外の多くの製紙会社において、厳しい環境に適したドライヤーカンバスの品質を確立し、高い技術を培ってきた。今講演では、ドライヤーパートで使用されるドライヤーカンバスを中心に、基本的な役割から最新技術まで事例を交えて紹介していただいた』
写真…中上保 氏
講演風景2
(3)【マシン前スクリーンバスケットの新しい提案】
㈱ダイリーインターナショナル 代表取締役 森田 竜児郎 氏
『Comer社の新構造スクリーンバスケットを用いることによる、精選精度・品質向上、メンテナンス性の改善について提案され、併せて国内、海外における同スクリーンバスケットの適用事例について紹介していただいた。』
写真…森田竜児郎 氏
講演風景3
平成25年度工場見学会「日本精工㈱藤沢工場」
日時:平成25年9月4日(13:3 0~16:2 0)
場所:日本精工㈱藤沢工場
神奈川県藤沢市鵠沼神明1-5-50
参加人数:38名
今年度最初の見学会は、日本精工㈱静岡支社様の全面的なご協力を得て、日本精工㈱様藤沢工場の見学を実施しました。
ベアリングの製造工程(熱処理、旋盤、超大ベアリング、精密ベアリング)を見学しました。また、ショールームでは様々な分野で使われているベアリングを拝見し、最新の技術開発の一端にもふれることができました。
安全対策の取組みや整理整頓の行き届いた工場も素晴らしく、信頼度の高い製品づくりを進めていくうえで大切なことと改めて感じたところです。大変有益な見学会となりました。
平成25年度 新入社員研修(中小企業等技術者研修製紙工学課程)
平成25年度 新入社員研修(中小企業等技術者研修製紙工学課程)
日 時 平成25年7月17日(水)
(研修時間 6.5時間)
場 所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 31人
内容 紙・パルプ産業の入社1年未満の技術者の皆さんを対象に、紙についての一般知識、紙の原材料、古紙処理、抄紙、仕上げ・加工等の概論についての講義と富士工業技術支援センターのパイロットマシン、試験設備等見学の研修を実施しました。
講師 壽 和徳氏
講師 牧田輝夫氏
講義風景1
講義風景2
紙試験室見学
パイロットマシン見学1
パイロットマシン見学2
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第2回技術講演会開催
第2回技術講演会を開催(平成25年7月16日)(写真:講演風景)
参加者:69名
会 場:富士工業技術支援センター大研修室
(1)【労働災害の防止について】
富士労働基準監督署 地域産業安全専門官 光田 準 氏
富士労働基準監督署管内における労働災害(休業4日以上)の発生件数は、平成24
年1年間で500件発生しており、平成23年と比較して約10%増加している。
そのうちパルプ・紙製造業においては、機械等による「はさまれ・巻き込まれ」災
害が依然として多くの割合を占めている。労働災害を防止するためには、事業場
における安全衛生管理体制の確立及び自主的な安全衛生活動の促進が必須であり、
その手法の一つであるリスクアセスメント等について解説された。
→ 写真:講師 光田準氏
(2)【㈱巴川製紙所静岡事業所での廃棄物削減の取組みについて】
㈱巴川製紙所静岡事業所 環境管理チームリーダー 松林 伸治 氏
TOMOEGAWA静岡事業所における廃棄物削減の活動状況について、また、環境保全活動として実施してきたボイラーの燃料転換による二酸化炭素排出量の削減やVOCの排出量削減、地域とのコミュニケーション活動について具体例を示しながら紹介していただいた。
→ 写真:講師 松林伸治氏
(3)【王子グループの環境への取組について】
王子ホールディングス㈱ 環境経営推進室兼地球温暖化対策室室長 田中 良正 氏
王子グループは、「環境と調和した企業活動を展開し、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する。そのため一層の環境改善に取組むとともに、森のリサイクル、紙のリサイクル、地球温暖化対策などを積極的に推進する」という環境憲章の理念に基づき、具体的な数値目標などを設定した『環境行動目標2015』を制定し、各グループ会社で実践活動を推進している。本行動目標の取組みについて具体例を交えて紹介していただいた。
→ 写真:講師 田中良正氏
*講演会風景1
*講演会風景2
*講演会風景3
総会開催
第66回定時総会は、来賓に金指健司富士市副市長、神谷眞好富士工業技術支援センター長等をお迎えし平成25年6月5日、ホテルグランド富士にて開催しました。
会員出席者 79名、委任状提出者124名 計203名
第1号議案 平成24年度事業報告及び収支決算報告並びに監査報告に関する件
第2号議案 平成24年度会費に関する件
第3号議案 役員報酬に関する件
第4号議案 役員の選任に関する件
以上が提案され、満場一致にて可決された。
続いて協会運営に功績のあった次の方々に感謝状等が贈呈された。
感謝状 山田英継様、友安盛士様
引き続き、技術賞、優秀開発賞を贈呈した。
技術表彰 「再生紙の新たな品質評価手法の検討」
(協会技術情報誌「紙パルプの技術」第63巻第3号)
富士工業技術支援センター 河部 千香 様
富士工業技術支援センター 齊藤 将人 様
富士工業技術支援センター 深沢 博之 様
大要:研究者らは、リサイクルに伴う繊維結合変化に関して研究し、紙の劣化度合い評価の新たな可能性を追求した。今後の研究の進展をまたねばならないが、この新たな品質評価手法の実用化は、個々の製紙工場における古紙の混合比率の最適化を容易にするとともにリサイクル適性のある樹種の選別も可能となり、生産性の向上に資することが期待される。
優秀開発表彰 「トイレットロールワインダの開発」
川之江造機株式会社 代表取締役社長 篠原 正能 様
大要:新たに開発されたトイレットロールワインダ(TR型)は、家庭紙製造が求める多種多様な製品の製造に対応し、製品の高品質・安定化、高速化、メカトロ一体システムによる主要操作の自動化、タッチパネル画面による操作の簡易化、資材節減、省スペース化などの機能アップを図っている。この技術開発は、今後の家庭紙加工の生産性向上に貢献し、業界の発展に寄与することが期待される。
特別講演会
特別講演は、静岡県立静岡がんセンター総長 山口 建先生に「ファルマーバレープロジェクトの現状について」をご講演いただき、県東部地域の先端医療産業集積の10年間の経緯と成果、今後の課題について聴講した。またご専門のがん予防や先端治療技術のお話しをお聞きした。
総会特別講演(静岡県立静岡がんセンター総長 山口 建 先生)